研究紹介【鋼構造】


主な研究対象


鋼構造物

腐食


疲労

腐食した部材の疲労破断


基礎研究


大気暴露試験

実使用環境(大気環境中,海水・淡水など自然水中,土壌中,プラント中など)で,実時間軸での材料劣化の評価試験は,材料開発,腐食現象解明,防食対策研究にとって必要不可欠の試験である。また,耐食性,防食性の有効性の最終確認するための最も信頼できる試験でもある。

皮膜と鋼材腐食の連成機構

本研究では,鋼素地の腐食状態,皮膜の仕様と劣化傷に対するパラメトリックモデル試験体の電気化学試験を行うことで,これらの相互干渉と鋼材の電気化学機構の連成現象を解明する。


表面処理

鋼道路橋を長寿命化するためには,素地調整の品質を確保することが重要である。素地調整とは,塗装する鋼材に油脂や粉じん,塩分,腐食生成物などの付着物を除去する作業である。鋼素地調整方法には,機械的方法,化学的方法,光学的方法などがある。


新手法・新技術の開発


電気化学腐食センサ

構造物における腐食環境,鋼素地の腐食状態,皮膜の種類・仕様の諸因子を考慮して,近接皮膜傷における腐食進行性の定量評価を可能とする腐食センサを開発する。

大気犠牲陽極防食

高品質な素地調整を必要としない防食方法として,陽極材と吸水・保水材料を用いた大気犠牲陽極防食技術を開発している。


AWT (Abrasive Water-jet Treament)

除去難度が極めて高い耐候性鋼の孔食底部の腐食生成物に対しても適用可能な研削材を混入した超高圧水混相流体技術である。国内外初の新技術を確立す ることで,ブラストなどの従来技術の課題をブレイクスルーし,重度に腐食した部材の蘇生と防食皮膜の高耐久性化を実現することを目的とした。

CFRPと鋼材の接合界面機構

炭素繊維シートをエポキシ樹脂で含浸・接着する補強方法で接着強度改善と耐久性向上の提案。また,CFRP-鋼材のガルバニック腐食機構や接着界面劣化と腐食促進の連成機構を解明する。


ロケット噴煙環境における腐食環境モニタリング

ロケット噴煙環境の腐食性の解明に加えて,鋼材の腐食進行性や防食皮膜の劣化に及ぼす影響を解明する。この知見に基づき,ロケット射場施設の維持管理手法を提案する。